映 画 3


  • トゥーランドット
  • 中国がモチーフのプッチーニのオペラ「トゥーランドット」。映画監督 チャンイーモーを演出家に招き中国政府に交渉し故宮に明時代のセットを作り、衣装などの時代考証も正確に再現しようという試み。プッチーニに誇りを持ち今までのオペラの形式にこだわるイタリア人スタッフ。オペラとイタリア人に戸惑いながらも自国のの文化に誇りを持ち作り上げていこうとする中国人スタッフ。両者のこだわりとせめぎあいが面 白かった。圧倒的な迫力舞台、華やかな衣装 、私自身オペラにはくわしくないのだがなかなか楽しめた作品である。

  • 折り梅

  • 久しぶりに映画館で邦画をみた。老人の痴呆の問題を扱った作品である。原田美枝子と吉行和子が嫁姑の微妙な関係をうまく表現していた。人間というものはどうしても自分を基準に物事を判断してしまう。それまで生きてきた環境、経験などから自分の尺度・価値観を作ってきたのだから当然のことなのであるが。若い人間からすれば老人は、動作が遅くなったり、何度も同じ事を言ったり、厄介者のように感じてしまう事が多い。ボケが始まったとか言っても、すべてのことがわからないわけではない。老人であろうと子供であろうが、何か一つのことができなかったり不得意であったりしても、他のこともすべて出来ないわけでなく、別 なことではとってもすごい才能を持っていたりする。そんなこと当然であるのに我々はつい忘れてしまう。「いつもおばあちゃんがご迷惑をおかしてます。」だとか「おじいちゃんちゃんと御礼を言って下さい。」とか保護者のように接してしまう子、嫁。一般 論、常識、世間体、自分の思いこみ、良くわからないモノにとらわれて本質を見極められないことがいかに多いか考えさせられる。

  • ひまわり

  • ひまわり友人オーリャが中学生の時にこの映画を見て感動した話を以前より聞いており、機会があれば見たいと思っていた。ひまわりの緑の色がDVDやヴィデオなどでは全然再現できていないのでぜひ映画館で見た方がよいとのことでラピュタ阿佐ヶ谷でやっていたので見にいった。今度ひまわりの色がどれだけ違うのか見比べて試してみたいと思う。 俯瞰の映像の効果を改めて感じた。俯瞰は神の視点のような気がする。下記ニューシネマでも主人公の母親が同じ言葉を発していたが「ただそれだけの事よ」というソフィアローレンの言葉にかなり意味を感じでしまった。敬虔なクリスチャンの多い国イタリアで作られた映画として考えると「神の元においては運命に従うだけよ。」ともとれるし、また「大した問題ではない、なるがままになっただけのことさ」というラテンの前向きに明るく生きようとする気持ちから来る言葉にも感じられる。ソ連・モスクワに実際行ったことのある自分としてはクレムリンや赤の広場さらにはグムというソ連最大のデパートで買い物するシーン、さらには長ーいエスカレータなど、なにか懐かしさをもって見てしまった。マストヤンニを助けたロシア娘マーシャが住んでいる家の外観なども、シベリア鉄道の中から見たソ連の家そのものでありシベリアなのかなあと感じてしまった。でも友人オーリャからも聞いてたとうり、駅のすぐ向こうに火力か原子力かわからないが巨大な発電所の煙突が見えるとこなど見るとあの忌まわしき事故のあったチェルノブイリもあるウクライナなのだよなあと改めて思ってしまう。以前見たタルコフスキーの「ストーカー」でも人が住んでいるすぐ近くにまるで日常の生活の一部という感じで発電所の煙突が登場してきていた。そばに住んでいるのが皆、人の良さそうなロシア人のおばちゃんとかだったりして、原発の危険性など何にも知らない、知らされてない人達なのだろうと思う。マーシャと二人でイタリアに行くとなると切符はとれないぞと、亡命は許さないぞという感じを匂わせていたシーンとともに当時のソ連を深く描いているなという感じがした。ソフィアローレンが働いてたマネキン工場でマネキンを抱きかかえてヤスリ掛けをしていた場面 は工場の同僚が笑っていたようにとてもエロチックな感じがしたが、マーシャがマストヤンニを抱きかかえて引きずっていって助けたシーンをも思い出させ、でもソフィアローレンが実際抱えているのは空虚なマネキンであるというところが悲しさを誘う。

  • ニューシネマパラダイス オリジナル完全版

  • ヴィデオ・映画館で何度も見てその度に涙が止まらなかった映画である。だが完全版を映画館で見るのは初めてである。今回、涙は目にたまってきたが頬をつたうまで至らなかった。意外だった。ハンカチまで握りしめていたのに。上記「ひまわり」と同じ日に続けてみたためもあるが話がリンクしているような気がした。第二次世界大戦後、ソ連戦線からの夫や愛する人々の帰還を待ちわびた人々がイタリアではじつに多かったのだということなのだろうか。ひまわりでもそうだがイタリア男性は約束を守るからもてるのだろうか?何度も見ているのにアルフレッドがトトが子供の時にした約束を守ったんだということにはじめて気がついた。完全版にしかないシーンの久しぶりの再会に、女は恥ずかしいから暗くしてと言い、男は明かりを点けて顔を見たいという。これもひまわりにも似たシーンがあった。女でも顔を見たいんじゃないのとカミさんに尋ねると女はそうとは限らないんじゃないと言われてしまった。

  • スペースカーボーイ
  • 月へ行けたこの作品はキネマ旬報で、その年度で一位 になったらしい。クリント・イーストウッド、ドナルド・サザーランド、ジェームズガーナー、トミー・リー・ジョーンズ。老優がカッコイイ。クリント・イーストウッドがこんなにカッコイイとは思わなかった。以前はマカロニウエスタンもダーティーハリーも失礼ながらカッコイイとは思わなかった。これは日本語の吹き替えの声にも問題があるかも知れないが。ドナルド・サザーランドも「普通 の人々」や戦争映画でしか知らないが、とってもいい味だしていた。誰かが言っていたがこの映画は、中年以降の人々の応援歌のような、我々だってまだまだやれるぜ、と元気がでてしまうと。この映画に感動するとなると自分ももう若くないのかなあ何て今更ながらに思ってしまったりする。相撲など見ていてもついベテランの力士を応援してしまう自分なのに今更何を言ってるのだ。シャトルから地球が見えているシーンで幾つかのうそというか考証不足を発見してしまいちょっとがっかりしたが、ラストシーンは猿の惑星のような、頭を殴られるようなガーンと衝撃的なモノではないが、見た人皆何とも言えない気分になるのではないか。軽快なシナトラの曲とともに、最後にこんなイキな演出を隠していたのかとうれしくなる。ああ良かった月に行けたんだと。ビデオで何度か見てカミさんがみつけたのだが、月面 に足か何か引きずって動いた跡のようなモノがある。ひょっとしたら…。そうだとしたらますます良かったねと涙があふれてしまった。

  • ラッチョドローム
  • ロマ、ジプシー、ジタンなどと呼ばれる流浪の民。インド西北部を起源に中東・東欧からスペインまで至った彼らの長い長い、歌と踊りと苦難の旅。迫害に耐え悲しさ苦難を経験したが故に見るモノ聞くモノの心を響かせる明るい歌声、踊りだったりするのかも知れない。2001年9月に生でステージを見たタラフドゥーハイドゥークスのおじいちゃんの糸付きバイオリンはやっぱりすごい。フランスのバイオリンとギターを使った音楽もよかった。ギターの神様ジャンゴラインハルトに通 づるモノなのだろうか?

  • ベンゴ

  • ラッチョドローム、ガッジョディーロの、トニー・ガルシア監督の作品であり、ロマ映画三部作の?最後の作品。観光客向け、あるいはステージで着飾って演じられるフラメンコ、それもすごいのだろうが、ジーパンなど普段着で踊るフラメンコの何とカッコ良いことのだろうか。踊りを見るだけでなくジプシーの根底に流れる境遇や心も見ないとフラメンコなど日本人である自分にはわからない気がする。しかしジプシーのファミリーを大切にする心は日本の「任侠モノ」にも通 じる世界を感じてしまった。

  • 不思議惑星キンザザ

  • 旧ソ連時代、グルジアで作られたSFカルトムービーである。映画館で見るのは三度目である。とても面 白いのである。ちょっとソ連映画とは思えないおおぼけかましてくれる映画なのである。全世界の一部?で受けているらしいのである。配給会社主催のホームページデザインコンテストに応募したのである。見事落選したのである。キューなのである。今新たに見ると旧ソ連への批判がちりばめられている感じである。宇宙船がなんとの言えず良いのである。宮崎駿も真っ青なのである。「ママーママーコートが欲しい」である。初っぱなのタイトルバックの音楽のなんとも力の抜けたクーが聞きたくてサントラ買ったのだがクーが入ってなかったのである。まったくキューなのだ。

  • ライトスタッフ

  • 何度かテレビで見たが全編をはじめから見たのは初めてだった。 オリジナルセブンと呼ばれる、アメリカ宇宙開発の黎明期の宇宙飛行士の物語である。わくわくするのである。…という感想であった以前は。全編見てみるとイエーガーも一方の主役なのであり、彼の言葉はもちろん、ゴードンの言葉、ガガーリンが世界で最初に飛んだこととその後の彼の苦しみ、NASAの技術者は宇宙船をカプセルと呼び、はじめは窓もなかったことなどいろんな場面 でタイトルの「ライトスタッフ」(正しい資質)の意味が分かってくる。泥沼のベトナムを始めてしまったことで、聞くところによるとアメリカでも評判の悪いジョンソン副大統領の権力や金でなんでも解決しようとする下品さなど痛烈に描き対比させることで「ライトスタッフ」(正しい資質)がますます際だって輝いて見える。ビデオを借りて何度も見てしまい、さらにはカミさんが見つけてきてヴィデオを買って、サントラのCDまで買ってしまったくらいはまってしまった。


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